教育談
きょういくだん
初出:「明六雜誌 第八號」明六社、1874(明治7)年5月31日分量:約6分
書き出し:人の幼穉《ようち》なるとき、意を加えてこれを保護せざれば、必ず病《や》み、必ず死す。また心を用いてこれを教育せざれば、長ずるに及《および》て必ず頑《がん》、必ず愚《ぐ》にして、蛮夷の間といえども共に立《たつ》べからざるに至る。これもっとも知り易《やす》きの理《ことわり》なり。しかしてそれ、これを保護するがごときは、天然の至情ありて、知愚貧富の別なく、みな意を加えざるなきも、それ、これを教育するの一...