「ある夏の日のこと」の感想
ある夏の日のこと
あるなつのひのこと
初出:「女子青年 24巻8号」1941(昭和16)年8月

小川未明

分量:約6
書き出し:姉《ねえ》さんは、庭前《にわさき》のつつじの枝《えだ》に、はちの巣《す》を見《み》つけました。「まあ、こんなところへ巣《す》を造《つく》って、あぶないから落《お》としてしまおうか。」と、ほうきを持《も》った手《て》を抑《おさ》えてためらいましたが、「さわらなければ、なんにもしないでしょう。」せっかく造《つく》りかけた巣《す》をこわすのもかわいそうだと考《かんが》え直《なお》して、しばらく立《た》ち...
更新日: 2017/10/25
0fee227de081さんの感想

蜂の巣を物語の中心としながら弟の成長を短い文章で描いていて、最後には微笑ましい内容で締めくくられている。姉からの視点では弟は未熟な存在とされているが、実際には蜂の巣の存在を知った上で巣作りの工程や親蜂の働きをよく観察している。最後の、「釣りに蜂の子を餌に使わずうどん粉を使っていた」という部分は弟の成長を最も表していて、子は知らぬ間に大人になっていくということを感じさせられた。