考えこじき
かんがえこじき
初出:「子供の広場」1946(昭和21)年7、8月合併号分量:約15分
書き出し:人《ひと》というものは、一つのことをじっと考《かんが》えていると、ほかのことはわすれるものだし、また、どんな場合《ばあい》でも、考《かんが》えることの自由《じゆう》を、もつものです。ある日《ひ》、清吉《せいきち》は、おじさんと町《まち》へ、いっしょにいきました。そして、おじさんが用《よう》たしをしている、しばらくの間《あいだ》、ひとり、そのあたりをさんぽして待《ま》つことにしました。一けんの店《み...