雲と子守歌
くもとこもりうた
初出:「新児童文化 第1冊」1946(昭和21)年8月分量:約20分
書き出し:どんなに寒《さむ》い日《ひ》でも、健康《けんこう》な若《わか》い人《ひと》たちは、家《いえ》にじっとしていられず、なんらか楽《たの》しみの影《かげ》を追《お》うて、喜《よろこ》びに胸《むね》をふくらませ、往来《おうらい》を歩《ある》いています。こうした人《ひと》たちの集《あつ》まるところは、いつも笑《わら》い声《ごえ》のたえるときがなければ、口笛《くちぶえ》や、ジャズのひびきなどで、煮《に》えくり...