二百十日
にひゃくとおか
初出:「小学六年生」1939(昭和14)年9月分量:約20分
書き出し:空《そら》高《たか》く羽虫《はむし》を追《お》いかけていたやんまが、すういと降《お》りたとたんに、大《おお》きなくもの巣《す》にかかってしまいました。しまったといわぬばかりに、羽《はね》をばたばたして逃《に》げようとしたけれど、どうすることもできませんでした。縁先《えんさき》で、新聞《しんぶん》を読《よ》んでいたおじいさんは、ふと顔《かお》を上《あ》げた拍子《ひょうし》に、これが目《め》に入《はい...