小川未明
小川氏といえば、童話作家と認識していたが、なかなか主張は厳しく重いものがある。苦しむ人にすぐ手を差し伸べる行為は愛ではない、と言う。真の愛は時には傍観者であることを許すようだ。凝視するという行為には実は愛があるのだそうだ。母の愛がそれのようだ。最近はついつい過保護とも思える親が多い。ただ、街中に監視カメラが作動している物騒な世の中で、親が凝視しているだけでは子供の命がいくつあっても足りない。親も子も精神的にも肉体的にも弱体化してきている。