「正に芸術の試煉期」の感想
正に芸術の試煉期
まさにげいじゅつのしれんき

小川未明

分量:約5
書き出し:今度の震災の災禍が、経済上にまた政治上に、影響し、従って複雑な関係を個人生活の上にも生じた点が少くない。その中に於て、文学業者の生活は、元来が、一面社会的であると共に、一面は、全く個人的のものであったと言うことができる。今日、私は、独り芸術とは限らないが、まず芸術に、それが危機にあると言い得るのは、その作者と立場との関係が、極めてデリケートに置かれているからである。要するに、作者の人格をおいてこの...
更新日: 2016/07/02
芦屋のまーちゃんさんの感想

作品の商品化を批判している。 大衆受けするテクニックを身につけた作家が登場するのを懸念する。 例えば、食べる為に作品を書いた太宰は良心が欠如した職業作家だったのか?のどから手が出るほど欲しかった芥川賞。彼は真理の愛求者とは認められないのか? 売れない作品の中に真理があるという考えは、作家の言い訳、自己弁護にすぎない。歌手でもそんなことを言う連中が多い。 売れない理由はあるのだ。大衆が馬鹿な訳ではない。作品が作家が馬鹿なのだ!!!真理は時間をかけて古典と なって大衆に受け継いでいかれる。ギリシャ時代から。 大衆を馬鹿にしてはならない。決して素人ではない。技巧だけで本が売れるなど大間違いだ!