「書を愛して書を持たず」の感想
書を愛して書を持たず
しょをあいしてしょをもたず

小川未明

分量:約9
書き出し:私は、蔵書というものを持ちませんが、新聞や、雑誌の広告に注意して、最新の出版でこれは読んで見たいなと思うものがあると求めるのがありますが、旧いものは、これは何々文庫というような廉価本で用を達しています。読んでしまえば、それでいゝようなものゝ、性来の潔癖もあって、汚れたのや、破れたのは、どうしても手に取る気がしません。少なくも、その書中から、滋養を摂《と》るのに、それも稀にしかない本でゞもないかぎり...
更新日: 2016/05/07
芦屋のまーちゃんさんの感想

蔵書を持たない作家は稀有な存在である。古典礼讃も特にしない。雑誌や新刊書もそれほど否定しない。図書館も否定しないが、古本はあまり好まないようだ。手垢がついた本や前所有者の書き込みなどがある本など論外である。私とは逆だ!私などは本にラインマーカーを引きまくるタイプだ。古本もわざと書き込みがある本を選ぶ。その文字が丸みを帯びた可愛らしいものであれば可憐な女子学生を想像する。