小川未明作品を読むのは4作目。 言ってしまえば平素な文が、どうしてこんなに魅力的に思えるのだろうと不思議に思う。 思い返すと、今までの4作品全部色のある風景を登場させている気がする。 今回はイチョウ。静かな秋の活気のある黄色。 話に起承転結はないのに、読了後こんなに心に響くのはなぜだろう。 こんなに短いのに、読み終わって、ふと顔をあげて考えてしまう。 ハマったものには心酔しやすい自分であるから、『小川未明』というネームバリューが自分のなかに刻まれているのもあるとは思う。 心酔しつつあるからこそ、なぜこんなにいい文章をかける人が、そんなに有名ではないのか、となんだか不安になる。小川未明さんほど上手くはないが、自分も少し物を書くものだから、もしいい作品ができても、世の人に読まれなきゃなんだかさみしい、と。 それと同時に安心もする。いつになるかはわからないが、知らない誰かが読んだとき、その人の心を奮わせることが出来るなら、感無量じゃないか、と。小川未明さんと自分を並べて考えるのはおこがましいが、そこは自分の人生なので、少し自分勝手にとってしまっておこう。 小川未明作者作品をスクロールしたら、驚くほど短篇がずらり。 読み終わってしまったらちょっと悲しいな、と不安だったが、まだ終わりは全然見えないようだ。 気の向くままによんで、感想もちまちま書いてみよう。そうしよう。 お目汚ししつれいしました。
少年の幼い友情。やがて成長し、進む道は違ってもお互いを思いやる気持ちが温かくもあり、切なくもなる作品でした。