子ざると母ざる
こざるとははざる
母が子供に読んできかせてやる童話
ははがこどもによんできかせてやるどうわ初出:「愛育 2巻11号」1936(昭和11)年1月分量:約8分
書き出し:ある日《ひ》、かりゅうどが山《やま》へいくと、子《こ》ざるが木《き》の実《み》を拾《ひろ》ってたべていました。もうじきに冬《ふゆ》がくるので、木《き》の葉《は》は紅《あか》く色《いろ》づいて、いろいろの小鳥《ことり》たちが、チッ、チッ、といって鳴《な》いていました。かりゅうどは、子《こ》ざるを見《み》つけると、足音《あしおと》をたてぬように、近寄《ちかよ》りました。「はてな、子《こ》ざるひとりとみ...