真坊と和尚さま
しんぼうとおしょうさま
初出:「台湾日日新報」1936(昭和11)年10月31日分量:約8分
書き出し:夏休《なつやす》みの間《あいだ》のことでありました。がき大将《だいしょう》の真坊《しんぼう》は、先《さき》にたって、寺《てら》のひさしに巣《す》をかけたすずめばちを退治《たいじ》にゆきました。「いいかい、一、二、三で、みんないっしょに石《いし》を投《な》げるのだよ、うまく命中《めいちゅう》したものが偉《えら》いのだから。」と、いいました。みんなは、目《め》をまるくして真坊《しんぼう》のいうことを聞...