「紙風船(一幕)」の感想
紙風船(一幕)
かみふうせん(ひとまく)
初出:「文芸春秋 第三年第五号」1925(大正14)年5月1日

岸田国士

分量:約19
書き出し:人物夫妻時晴れた日曜の午後所庭に面した座敷夫(縁側の籐椅子に倚り、新聞を読んでゐる)「米国フラー建材会社のターナー支配人が一日目白文化村を訪れて、おゝロスアンゼルスの縮図よ!と申しましたやうに、目白文化村は今日瀟洒たる美しい住宅地になりました」妻(縁側近く座蒲団を敷き、編物をしてゐる)なに、それは。夫(読み続ける)「四万坪の地区には、整然たる道路、衛生的な下水水道電熱供給装置テニスコート等の設備が...
更新日: 2021/03/13
19双之川喜41さんの感想

 戯曲の技巧というものは 凄いものだと 感心する。 おそらく 子無し夫婦と 思われる 登場人物ではあるけど 姿は見せず 風船に 所在ない二人の 日常に埋没した倦怠感を 語らせてしまうからである。