村のかじやさん
むらのかじやさん
初出:「セウガク二年生 12巻13号」1937(昭和12)年1月分量:約3分
書き出し:村《むら》のかじやさんは、はたらき者《もの》で、いつも夜《よる》おそくまで、テンカン、テンカンと、かなづちをならしていました。ある夜《よ》、きつねが、あちらの森《もり》で、コンコンとなきました。かじやさんは、「お正月《しょうがつ》の休《やす》みに、きつねをとってやろう。」と、思《おも》いました。かじやさんは、自分《じぶん》の手《て》で、ばねじかけのおとしを作《つく》りました。はたらき者《もの》のか...