「和紙の美」の感想
和紙の美
わしのび

柳宗悦

分量:約8
書き出し:想へば単純な材料に過ぎない。それなのに眺めてゐて惹きつけられる。手漉きの和紙はいつだとて魅力に満ちる。私はそれを見つめ、それに手を触れ、言ひ難い満足を覚える。美しければ美しいほど、かりそめには使ひ難い。余ほどの名筆ででもなくば、紙を穢すことにならう。そのまゝでもう立派なのである。考へると不思議ではないか、只の料紙なのである。だが無地であるから、尚美しさに含みが宿るのだとも云へよう。良き紙は良き夢を...
更新日: 2024/04/15
19双之川喜41さんの感想

 雁皮(がんぴ)楮(こうぞ)三椏(みつまた)の 三種は 和紙の 原料であるという。溜漉きと 流漉きは 抄法の 二種である。黄蜀葵(とろろあおい)を つかうことで 流漉きは 成り立つ。多くの 和紙は 酸化しないので 長期保存に 耐えるけど 稀に 和紙のなかには 酸性紙のものが 散見するので すぐに 劣化してしまうものもある。国宝の 補修に 和紙が 使われるのは 良く知られているけど ドイツでは 古書の酸化を 和紙で 挟み込んで 防ぐ 手法が とられている。