「浮雲」の感想
浮雲
うきぐも
初出:「風雪」1949(昭和24)年11月~1950(昭和25)年8月

林芙美子

分量:約601
書き出し:理性が万物の根拠でありそして万物が・理性あるならば若し理性を棄て理性を憎むことが不幸の最大なものであるならば……。——シェストフ——一なるべく、夜更《よふ》けに着く汽車を選びたいと、三日間の収容所を出ると、わざと、敦賀《つるが》の町で、一日ぶらぶらしてゐた。六十人余りの女達とは収容所で別れて、税関の倉庫に近い、荒物屋兼お休み処《どころ》といつた、家をみつけて、そこで独りになつて、ゆき子は、久しぶり...
更新日: 2017/11/28
5a0cb9575e26さんの感想

何時間もかけて読むべき話なのだろうか。 この時代の人間は、皆、こんなろくでなしばかりだったのか。 敗戦後とはいえ、実直に前向きに生きる人間はいなかったのか。 ゆき子の金で富岡はこれからも次々と女をつくって行くんだろう。 金なんか要らない。女なんか要らない。と言いながら。 後味の悪い本だった。