「岐阜提灯」の感想
岐阜提灯
ぎふちょうちん

田中貢太郎

分量:約16
書き出し:※真澄《ますみ》はその晩も台所へ往って、酒宴《さかもり》の後しまつをしている婢《じょちゅう》から、二本の残酒《のこりざけ》と一皿の肴《さかな》をもらって来て飲んでいた。事務に不熱心と云うことで一年余り勤めていた会社をしくじり、母の妹の縁づいている家で世話になって勤め口を捜しているが、折悪しく戦後の不景気に出くわしたので口が見つからないけれども、生れつきの暢気《のんき》な彼は、台所の酒を盗み出したり...
更新日: 2021/04/25
27c3ee3b35c1さんの感想

どうしようもないダメ男の体験した不思議な話。 結局、岐阜提灯の女とは、何だったのか。よく解らないまま終わり、少しモヤモヤした。 幽霊なのか、狐狸なのか。 古墳の主だったのか。 まぁ、読みやすかった。 ともあれ、昔はこんなダメ男でも親類が面倒を見たりしたのだろうかと思うと、今の世の中とは随分な違いを感じる。家族の繋がりとは何なのだろうか、と言う、本筋とは違うところで考えさせられた。