「つゆのあとさき」の感想
つゆのあとさき
つゆのあとさき

永井荷風

分量:約212
書き出し:一女給《じょきゅう》の君江《きみえ》は午後三時からその日は銀座通のカッフェーへ出ればよいので、市《いち》ヶ|谷《や》本村町《ほんむらちょう》の貸間からぶらぶら堀端《ほりばた》を歩み見附外《みつけそと》から乗った乗合自動車を日比谷《ひびや》で下りた。そして鉄道線路のガードを前にして、場末の町へでも行ったような飲食店の旗ばかりが目につく横町《よこちょう》へ曲り、貸事務所の硝子窓《ガラスまど》に周易《し...
更新日: 2022/12/02
4b0e03c3248fさんの感想

荷風山人の傑作。お堀の周りの地理やカフェの風俗は、お手のもの、殺伐とした時代の中でしたたかに生きる女と、振り回されるややひ弱な男とが見事。往年のフランス映画にもたとえられる出来栄えか。

更新日: 2022/04/06
19双之川喜41さんの感想

 風俗小説なので 芸者▫女給▫妾の生き生きした描写が 続く。 仕込みの費用で 足が出たことだろう。 最期の相手は 出獄直後の男で 女との一夜の思い出を胸に 自死してしまう。 女は 良いことだってしたのだと感じた。

更新日: 2020/06/15
c9cce00ccecaさんの感想

岡崎京子の漫画に出てくるような女の子を、ちょっと思い浮べてしまいました。本心を人に打ち明けない、強く見えて繊細な、野生的な純粋さをもった女の子。とても魅力的です。 そして…荷風の作品は、ラストがとてもいいですね。痛切な後味。

更新日: 2020/03/29
86907b788e63さんの感想

君子の生きざま、これはこれでいいんじゃないかなと思った。

更新日: 2018/05/14
a3235966ecb8さんの感想

淫靡で救いがないけど爽やかな読後感。

更新日: 2017/09/08
8ee9de3af71eさんの感想

「つゆのあとさき」は「梅雨のあとさき」だろうか?「露のあとさき」これだと艶っぽくっていいかも。(Aku2)

更新日: 2015/09/07
c19a19382335さんの感想

様々な男と君江を巡る物語。男の執念深さを主題として描かれており、なかなかに面白かった。登場人物が多くもっと読みたいと思わせられたし、どこか物足りなくも感じた。