おさくの話
おさくのはなし
初出:「教育研究」1929(昭和4)年10月分量:約17分
書き出し:おさくは、貧《まず》しい家《いえ》に生《う》まれましたから、小学校《しょうがっこう》を卒業《そつぎょう》すると、すぐに、奉公《ほうこう》に出《で》なければなりませんでした。「なに、私《わたし》が、いいところへ世話《せわ》をしてやる。」と、植木屋《うえきや》のおじいさんはいいました。彼女《かのじょ》の父親《ちちおや》は、とうに死《し》んでしまって、あわれな母親《ははおや》と暮《く》らしてきました。お...