「世界的」の感想
世界的
せかいてき
初出:「早稻田大學新聞 第二百二十六号」1941(昭和16)年10月15日

太宰治

分量:約3
書き出し:世界的太宰治ヨーロツパの近代人が書いた「キリスト傳」を二、三册讀んでみて、あまり感服できなかつた。キリストを知らないのである。聖書を深く讀んでゐないらしいのだ。これは意外であつた。考へてみると、僕たちだつて、小さい時からお婆さんに連れられてお寺參りをしたり、またお葬式や法要の度毎に坊さんのお經を聞き、また國寶の佛像を見て歩いたりしてゐるが、さて、佛教とはどんな宗教かと外國の人に改つて聞かれたら、百...
更新日: 2016/06/20
芦屋のまーちゃんさんの感想

身近に「世界的」な人物がいると案外気づかないものだ。   外国のものは何でも素晴らしく勝っているに違いないという考えは今日でもまだある。キリスト教がカッコよくて、仏教はダサイ。外国文学>日本文学。外国映画>日本映画。 洋食>和食。などなど。軍配を外国に上げたがる。 その意味では、外国文化をよく知っているのは、日本人かもしれない。世界的評論家が登場してもおかしくない。 東京人は東京タワーには登らない、京都人が京都タワーに登らないのと同じように・・・・・