牧野信一
私も手旗信号を打てるけれど この種の信号を扱った 小説を読んだのは初めてである。 もちろん 小説的な 誇張があるので 筋の運びは 細かいことを言えば 無理がないわけはない。 新しいアイデアを探し回る 姿勢が 素晴らしいと感じた。
手旗信号で秘密の交信をするなんて、満里子とRは何てロマンチックなんでしょ!「私」がそれに気が付いたのもスゴい、と思った。私と満里子に恋愛感情などなかった(?)にせよ、三角関係的なシチュエーションは良くあるパターン。邪魔者を堂々と大胆に欺いている点、共感できる。