「喧嘩咄」の感想
喧嘩咄
けんかばなし
初出:「文藝放談」1935(昭和10)年4月

牧野信一

分量:約10
書き出し:ちかごろ或る日、十何年も他所《よそ》にあづけ放してあるトランクをあけて見ると昔のエハガキブックや本や手帳にまぢって、二十歳前後の写真を二束見つけた。その中に“To Mr. S. Makino. ——From Saburo Okada”と誌された手札型の岡田三郎の半身像と、「屋上」小会紀念とある故片上伸先生をとりまいた一団の学生の写真があった。学生は十四人ならんでゐるが(斯ういふ写真には裏に名前を書...
更新日: 2025/02/21
65c8aadc88adさんの感想

雙喜  人の 喧嘩は 華々しい方が 傍で 見ていても 心 躍り ワクワクと する。井伏鱒二からの 悪口雑言が 偶然 部屋から 洩れ 聴こえる 場面に 行き会って 了った のには 怒り 心頭に 達したのだろう。文壇は 天国でも 地獄でも ない。すこしでも 完成度の 高い作品を 後生に 遺して くれれば 読み手は そのことが 嬉しいだろと 感じられた。

更新日: 2023/07/06
decc031a3fabさんの感想

この作者が舐められているのか、甘えられているのか。ただ余り感情表現がうまく無く、それが他人から見て勘に触っているらしいと自己分析しているが、おそらく保身や独りよがりのケが有ったのだろうな。ただ当時この作者の評価の方が周囲よりも高かったのだと思う。それもエッセイや評論といったその時の雰囲気に沿った小品を書けることで、雑誌社に大事にされていた感じがしているな。