「或るハイカーの記」の感想
或るハイカーの記
あるハイカーのき
初出:「旅 第十三巻第五号(五月号)」日本旅行倶楽部、1936(昭和11)年5月1日

牧野信一

分量:約11
書き出し:適量の日本酒を静かに吟味しながら愛用してゐれば、凡そ健康上の効用に此れ以上のものは無いといふことは古来から夙に云はれて居り、わたしなども身をもつてそれを明言出来る者であつたが、誰しも多くの飲酒者は稍ともすれば感情のほとばしるに任せては後悔の種を育てがちになるのも実にも通例の仕儀ながら、わたしも亦その伝で銀座通りなどをおし歩きながらウヰスキーをあをりつゞけたお蔭で、例に依つて例の如く、終ひに閑寂なる...
更新日: 2020/11/18
19双之川喜41さんの感想

 ハイキング案内は 実用書であるからして  当たり前のことながら 詩情にかけるのが 普通であるので  そんなつもりで読み進むと  灯台守▫ 水兵さん▫女学生 などが出てきて  興味がつながる。 よく知られた地名が楽しいと感じた。

更新日: 2016/04/01
YELLOWテントマンさんの感想

ハイキングというより散歩のお話、沢山歩くと健康に良いし、何よりビールが最高です。

更新日: 2016/03/12
芦屋のまーちゃんさんの感想

小説家という連中は、たわいもない話題を上手に面白く仕上げるものだ、と感心させられる作品だ。酒を飲む大義名分を健康のため、とし挙げ句の果てには病気になる。冒頭から、その通り、その通り、と連呼したくなる。誰でもわかっているが書けそうで書けない。後半になるにつれ、これがハイキングの話だったのか!と気付く。禁酒目的で友人とも距離をおき、独り横須賀辺りを歩く。面白いのは薬用酒を携えながら歩くというのが生粋の飲兵衛である証だ。気持ちがよくわかる作品。

更新日: 2015/04/16
b86b7f708c75さんの感想

なんと言うことのない話だったがなかなか味わい深い文章だった。