「蘭丸の絵」の感想
蘭丸の絵
らんまるのえ
初出:「少年 第一九六号(豊年号 十二月号)」時事新報社、1919(大正8)年11月8日

牧野信一

分量:約7
書き出し:僕等が小学校の時分に、写絵《うつしゑ》といふものが非常に流行しました。それは毒々しい赤や青の絵具で紙に色々な絵が描いてあつて、例へば武人の顔とか軍旗とか、花とか、その中で自分の気に入つた絵を切り取つて、水にぬらして腕や足に貼付け、上から着物で堅く圧えつけるのです。暫くたつて紙をそつとはがすと、その絵がそのまゝ腕に写つてしまふのです。たゞそれだけの事ですがそれをどういふものかその時分の少年達は、此の...
更新日: 2022/02/08
19双之川喜41さんの感想

 小道具で 歓心を かうのも なかなか 仕込みが 大変で 蘭丸の写し絵を どこで入手したかは 秘密なのである。器械体操のような 鉄棒に 熱中しており なびかなかった 僕は あえなく 陥落し 転写に 耽る。妙なものに 熱中してしまうのは 思い出しても 何故なのかは さっぱり 分からない。

更新日: 2016/05/26
芦屋のまーちゃんさんの感想

とにかく昔の子供の遊びが書物から派生しているようで知的である。ガキ大将でも孔子や孟子に精通してそうだ。 歴史上の人物など好きそうだ。蘭丸が美しいと。森成利とは安土桃山の武将。

更新日: 2015/10/28
a5ac6a3c331fさんの感想

子供のころ、移し絵というので遊んだことを思い出しました。 当時の色彩は 今の印刷物に較べたら 粗末な色合いだったでしょうが 当時の子供たちには、夢を運んでくれる貴重なものだったのでしょう。 手の甲に 貼って飽かずながめたものでした。

更新日: 2015/10/20
4c60046db05eさんの感想

ノスタルジック。丁寧な情景描写。こどもの頃にしかわからなかった気持ちがふっと蘇るような作品。