「泣き笑ひ」の感想
泣き笑ひ
なきわらい
初出:「少年 第一九九号(明治元勲号 三月号)」時事新報社、1920(大正9)年2月8日

牧野信一

分量:約7
書き出し:ドンドンドン……といふ太鼓の音がどこからともなく晴れた冬の空に響いて居りました。私達は学校の退けるのを待兼ねて、駈けて帰りました。初|午《うま》のお祭といふことが、此の上もなく私達を悦ばせてゐたのであります。自分達が主役となつて、大人の干渉を少しも受けずに何から何まで自分達の手でやることに、ある誇を感ずることが出来たのであります。ふだんは目上の人の指図の許にのみ暮してゐる自分達にとつては、かういふ...
更新日: 2019/10/31
19双之川喜41さんの感想

 子供の芝居が 開幕する寸前に 叔母さんに連れられた 小さい子が 飛び入りで 舞台に乗りたいというので いやいや 出してやると  途中で 馬鹿面をかぶったまま  泣き出してしまったけど  見物の人逹は 囃(はや)し立て それが  かえって 受けてしまう。 面は笑い 顔は泣いてると言う 話である。 心象風景に かすかに残っているような  気もしてくるのである。