三つのかぎ
みっつのかぎ
初出:「赤い鳥」1925(大正14)年12月分量:約20分
書き出し:一ある青年《せいねん》は、毎日《まいにち》のように、空《そら》を高《たか》く、金色《きんいろ》の鳥《とり》が飛《と》んでゆくのをながめました。彼《かれ》は、それを普通《ふつう》の鳥《とり》とは思《おも》いませんでした。なにか自分《じぶん》にとって、いいことのある使《つか》いであろうというように思《おも》ったので、その鳥《とり》の行方《ゆくえ》を探《さが》そうとしました。どこかに巣《す》があるにちが...