川に 流れてきた地蔵を 拾い上げ 庭の片隅に 手作りの地蔵堂を造り上げ 熱心に堂守りをするけど 争わなくなるまでは 喧嘩は強かった。 大切な地蔵を 寺に寄進し 自分も 寺に養子に入るが 坊主にはならない。
容赦無い現実に翻弄される少年の心情を静かな文章で綴っています。映画にできないかな。まあ、表現出来るような監督いないけど。
こんなに美しく哀しい話をかつて知りません。
学生時代に読んで、成人してからもたまに思い出すので今回再読。意地悪な教師に居残りをさせられる理不尽や、優しい姉さんと杏を食べ、種を外に捨てる、なんとも優しい室内の情景が、思い出深い作品である。今回の再読では、主人公が複雑な家庭環境を、回りから与えられる愛情に支えられ、また主人公自身も愛情を与え成長を遂げていたことをしみじみ感じた。 近々金沢へ行って、記念館を訪問したいと思っている。
序盤ので描かれている幼少時特有の柔らかな心の有様を目で追っていると、確かに自分も子供の頃に持ち合わせていた純粋無垢な心を思い出せます。自分はそういった心の目を失うはずはないと何処かで高を括っていましたが、幼年時代を読み自分の甘さに悔しさを感じたり… 後半の様子から、幼くして両親を亡くし戦争で夫も亡くし、女手一つで父を育てあげた祖母の信心深さと似通ったものを少年にみました。どんな性質でも、心は清らかでありたいものです。