街の幸福
まちのこうふく
初出:「童話文学」1929(昭和4)年7月分量:約11分
書き出し:盲目《めくら》の父親《ちちおや》の手《て》を引《ひ》いて、十二、三|歳《さい》のあわれな少年《しょうねん》は、日暮《ひぐ》れ方《がた》になると、どこからかにぎやかな街《まち》の方《ほう》へやってきました。父親《ちちおや》は、手《て》にバイオリンを持《も》っていました。二人《ふたり》は、とある銀行《ぎんこう》の前《まえ》へくると歩《あゆ》みをとめました。そこは、石畳《いしだたみ》になっていて、昼間《...