「沼津千本松原」の感想
沼津千本松原
ぬまづせんぼんまつばら

若山牧水

分量:約10
書き出し:私が沼津に越して来ていつか七年経つた。或はこのまゝ此処に居据わることになるかも知れない。沼津に何の取柄があるではないが、唯だ一つ私の自慢するものがある。千本松原である。千本松原位ゐ見事な松が揃つてまたこの位ゐの大きさ豊さを持つた松原は恐らく他に無いと思ふ。狩野川の川口に起つて、千本浜、片浜、原、田子の浦の海岸に沿ひ徐《おもむろ》に彎曲しながら遠く西、富士川の川口に及んでゐる。長さにして四里に近く、...
更新日: 2024/05/05
19双之川喜41さんの感想

 相模の北条と 甲斐の武田が 戦略上 鬱蒼(うっそう)と 繁った 林を 切り倒したのを 時を経て 目の当たりにした 増誉上人が 鋭意 植樹したと される。その 林の中に 甲州街道が 通じていたと 云うけど おそらく 甲州道で あろう。磯慣松(そなれまつ)であれば 浮世絵で 見られるように くねくねと 曲がっているけど 太く 真っすぐ 大木になる 種のようである。牧水は 松林の 伐採の 反対運動に 力を注ぎ 千本松の 保存に 貢献した。先人達は なんとも 松樹を 斬ったり 植えたり 面倒なことを やってのけたものだと 感じた。