「稚子ヶ淵」の感想
稚子ヶ淵
ちごがふち
初出:「早稲田學報」1906(明治39)年3月号

小川未明

分量:約12
書き出し:もう春もいつしか過ぎて夏の初めとなって、木々の青葉がそよそよと吹く風に揺れて、何とのう恍惚《うっとり》とする日である。人里を離れて独りで柴を刈っていると、二郎は体中汗ばんで来た。少し休もうと思って、林から脱け出て四辺《あたり》を見廻すとすぐ目の下に大きな池がある。二郎は何の気なしにその池の畔《ほとり》へ出た。すると青々とした水の面《おもて》がぎらぎらする日の光りに照《うつっ》て一本《ひともと》の大...
更新日: 2020/12/15
19双之川喜41さんの感想

 亡き姉をことのほか慕う二郎は 山の池で 姉に再会したような気がした。 それを聞いた両親は 池に行くことを 禁じたけど 二郎は 池に浮かんだ帽子を残して 神隠しにあう。 村人は 以来 山の池に 稚子ヶ淵と名をつける。詩情溢れると感じた。

更新日: 2016/08/26
5d05c421a16bさんの感想

怖いですね、やまのなかのいけ、ネムノキ、 風、夜、音、鳴き声、これだけそろえば無気味です。わたしのいなかにも、似たような山の中にいけがあります。夏の夜にふさわしいお話し!