「寂しき魚」の感想
寂しき魚
さびしきうお
初出:「赤い鳥」1920(大正9)年12月1日

室生犀星

分量:約13
書き出し:それは古い沼で、川尻《かわじり》からつづいて蒼《あお》くどんよりとしていた上に、葦《あし》やよしがところどころに暗いまでに繁《しげ》っていました。沼の水はときどき静かな波を風のまにまに湛《たた》えるほかは、しんとして、きみのわるいほど静まりきっていました。ただ、おりおり、岸の葦のしげみに川蝦《かわえび》が、その長い髭《ひげ》を水の上まで出して跳《は》ねるばかりでした。その沼はいつごろからあったもの...
更新日: 2020/11/02
19双之川喜41さんの感想

 体中  苔で覆われた  大きな 魚(うお)は 望みが叶うことは  ごく少ないまま 古い沼 で  ある日  白い 腹を上にして  この世を去っていく。 安らかな眠りは  彼の 救いとなっているのかも しれない と感じた。