良い。
この小説も、自分が主人公になったような気持ちにさせられます。しかし、読後心が豊かになったようには思えません。ちがうストーリー展開にできなかったかと思います。
十六歳の少年が 別荘地で 歳上の女に対して 片想いの戀に 落ちてしまう。 気持ちを 散々弄ばれて 苛立つた少年は ついに 女と深い仲になっている相手を 突き止めるにいたり 大きな衝撃を受ける。 この作品に 触発されて書かれた作品は 多いと聞く。 これを 下敷きにして 制作したと 明らかに思われる映画を 見たことがあるような気はすると感じた。
ツルゲーネフの初恋。懐かしい映画を思い出した。ドミニクサンダのジナイーダ。神西清の名訳。ワインを味わうように、ゆっくり読みたい。
うんと若い頃にこれを読んでいなくて良かった。 人生の機微を少しならずとも嗜んでいる今だからこそ 登場人物全員の心情が手に取るように理解することが可能な事を嬉しく、そして哀しく思う。 彼女の涙やキス、主人公への愛情 主人公の彼女への恋、父への愛 嗅ぎ煙草と鞭とナイフと 生と死と恋と愛と美と青春と。 決して万人に理解されるストーリーでもキャラクター達でも無いが ある種類の人間にとっては鮮烈で感動を誘う名作であることは間違いない。