「おにぎりの味」の感想
おにぎりの味
おにぎりのあじ
初出:「暮しの手帖」1956(昭和31)年9月5日

中谷宇吉郎

分量:約4
書き出し:お握りには、いろいろな思い出がある。北陸の片田舎で育った私たちは、中学へ行くまで、洋服を着た小学生というものは、誰《だれ》も見たことがなかった。紺絣《こんがすり》の筒っぽに、ちびた下駄。雨の降る日は、藺草《いぐさ》でつくったみのぼうしをかぶって、学校へ通う。外套《がいとう》やレインコートはもちろんのこと、傘をもつことすら、小学生には非常な贅沢《ぜいたく》と考えられていた。そういう土地であるから、お...
更新日: 2015/06/29
2d5da82a7132さんの感想

贅沢で便利になった世の代わりに置いてきた、幼い頃の思い出。 もう二度と同じ味に出逢えないだろう切なさ。情景描写が素晴らしく湯気が見えた気がする。