織田作之助
ほぼ全編肺病の若い学生のインテリらしい(男女関係の尽きせぬ)妄想。第三者から見れば単純な構造も渦中の者からしたら複雑怪奇な世界を呈してくる。タイトルはそれをよく表しており、ちょっとした気恥ずかしさも感じられる。
題意は 男の一方通行かもしれない思慕の情をさす。 筋は 海辺の温泉に 治療にきた学生と 別れ話にきた男女との交流が描かれ 女だけが 船で去っていく場面で終わる。 治療のために 石油を飲むのは 他の作品でも 見たことはあると感じた。