織田作之助
娘は母の愚かな横車でいつまで経っても結婚出来ない。また、このことに対する娘の従順さが前近代的だ。母の無理解と娘の無気力は少しも読者の共感を得ない。蓋し、憐れだ。
過保護という訳ではなさそうだが、なんやかんやと言って、娘達の婚期を遅らせてしまう、おたかの哀れさと自業自得さと滑稽さが何とも言えず面白い。娘の為やと思うなら、ちゃっちゃか結婚さしたらええのに!と、悉くタイミングを逃してしまうわ、挙げ句に末娘持子の妊娠出産である。まぁ、なんやかんやあっても、挫けることのないおたかに格好良さを感じた。