「婚期はずれ」の感想
婚期はずれ
こんきはずれ
初出:「会館芸術」1940(昭和15)年11月号

織田作之助

分量:約20
書き出し:友恵堂の最中が十個もはいっていた。それが五百袋も配られたので、葬礼の道供養にしては近ごろよくも張り込んだものだと、随分近所の評判になった。いよいよ配る段になると、聞き伝えて十町|遠方《さき》からも貰いに来て、半時間経つと、一袋も残らず、葬礼人夫は目がまわった。一町の間に八つも路地裏のある貧乏たらしい町で、子供たちは母親にそそのかされてか、何遍も何遍も浅ましい手を出したが、そんな二度取り、三度取りを...
更新日: 2022/10/10
鍋焼きうどんさんの感想

娘は母の愚かな横車でいつまで経っても結婚出来ない。また、このことに対する娘の従順さが前近代的だ。母の無理解と娘の無気力は少しも読者の共感を得ない。蓋し、憐れだ。

更新日: 2021/06/18
496b7f29770aさんの感想

過保護という訳ではなさそうだが、なんやかんやと言って、娘達の婚期を遅らせてしまう、おたかの哀れさと自業自得さと滑稽さが何とも言えず面白い。娘の為やと思うなら、ちゃっちゃか結婚さしたらええのに!と、悉くタイミングを逃してしまうわ、挙げ句に末娘持子の妊娠出産である。まぁ、なんやかんやあっても、挫けることのないおたかに格好良さを感じた。