ロビンソン・クルソオ
ロビンソン・クルソオ
(序に代ふる会話)
じょにかうるかいわ初出:「漂流物語ロビンソン・クルーソー」富田文陽堂、1911(明治44)年5月10日分量:約12分
書き出し:人物主人客譯者場所主人の書齋。主人と客と對坐せるところへ、譯者登場。主人。暫くでしたね。何か御用ですか。譯者。あのロビンソンですね。あれがこれまで翻譯にはなつてゐましたが皆文語體ですから、今度口語體に譯したのです。そこで序文を一つ書いてお貰ひ申したいのですが。主人。さうですか。どうも忙しくて、序文なんぞは書いてゐられませんがなあ。譯者。併しわたくし共のした事は、あなたのお考へでも無益な事だとはお思...