「史論の流行」の感想
史論の流行
しろんのりゅうこう
初出:「青年文学 一三」1892(明治25)年11月

津田左右吉

分量:約11
書き出し:奇なるかな世潮の変遷、試《こころみ》に最近数年間の文学界を回顧せば年ごとに流行の一新するあるを見る。二十二年は小説流行のときにして二十三年は和文、漢文の流行は二十四年に始まりてしかして二十五年は史論の盛行を見るにあらずや。もとよりその間に密確なる区劃をなさんは無稽の業に属すといへども大体の状態は概《おおむ》ね此《かく》の如《ごと》きか。これそもそも人心の奇を好むによるか将《は》たその間必然の理勢あ...
更新日: 2017/04/24
b9ef941530ccさんの感想

津田左右吉の史論の流行は、歴史研究は、史料が真実を書いているのか否か、厳密な史料批判を通じて有ること、無かったことを峻別しなければならない。この作業は膨大な時間と労力を必要とするが、避けて通ることのできない作業である。よって、流行り廃りで、歴史を論ずることはできない。