「神代史の研究法」の感想
神代史の研究法
じんだいしのけんきゅうほう
初出:「歴史と地理 四ノ三」1919(大正8)年9月

津田左右吉

分量:約18
書き出し:一今日に伝わっている我が国の最古の史籍たる『古事記』と『日本書紀』との巻頭にはいわゆる神代の巻という部分がある。『古事記』は和銅五年(712 A.D.)『日本書紀』は養老四年(720 A.D.)に出来たもので、何《いず》れも八世紀に入ってからの編纂であるが、神代の巻などは、もっと古くから伝えられていた材料によったものである。ここにその詳しいことを説いている遑《いとま》はないが、その材料は遅くとも六...
更新日: 2023/05/05
ハルチロさんの感想

歴史家であり、また思想家である津田先生の記紀に関する考え方の詰まった作品だと思います。現代社会でも時代考証をするとき、現代の事象に合わせて合理的に考えることがあります。しかしながら、その当時に正しいとされた思想や思考を顧みず、現代の思想や思考に合った解釈をすると、歴史を歪曲する考察なりましょう。この作品に触れて、物事の見方を改めて考えています。

更新日: 2017/04/25
b9ef941530ccさんの感想

津田左右吉の神代研究法では、古事記に記載されている神代は思想的に産まれたものであって、歴史ではなく、事実ではない。神代の記述はあくまでもそのように書かれてあるとして、歴史的事実ではなくて、記載者やその時の編纂者の思想歴史観から書かれたものとして、歴史と言うよりか、思想・考えが書かれているものとしている科学的・客観的に考えるべきだ。