「一九三一年 作品 第一番」の感想
一九三一年 作品 第一番
せんきゅうひゃくさんじゅういちねん さくひん だいいちばん

李箱

分量:約3
書き出し:一私ノ肺ガ盲腸炎ヲ病ム第四病院ニ入院主治医盗難——亡命ノ噂立ツ季節遅レノの蝶々ヲ見ル看護婦人形仕入模造盲腸ヲ制作シ一枚ノ透明硝子ノ彼方ニ対称点ヲ設ク自宅治療ノ妙ヲ極ム遂ニ胃病併発シテ顔面蒼白貧血二心臓去處不明胃ニアリ胸ニアリ二説紛紛シテ食い止めない多量ノ出血ヲ見ル血液分析ノ結果私ノ血ハ無機物ノ混合デアルト判明シ退院巨大でシヤープナ記念碑建ツ白色少年ソノ前面ニテ狭心症タメニ斃ル三私ノ顔面ニ草ガ生エタ...
更新日: 2021/09/26
b8777f6c9c1eさんの感想

昭和6年の青年が、どんな事を想って、どんな空気の中で生活していたか、そちらの方が胸に迫ってくる。病院とか社会主義とか刺激的で目を引くけど、先行きの危うい不安を常に感じられる世の中だったんだろうなぁ。