生きているコタンの銅像
いきているコタンのどうぞう
――アイヌの慈父・高橋房次――
――アイヌのじふ・たかはしふさじ――初出:「日本 第二巻第十二号」1959(昭和34)年12月分量:約14分
書き出し:銅像が皆の手で作られた白老《しらおい》のシュバイツァーとして、すでに貴重な存在になっている高橋房次氏が、今度白老町の住民一同から銅像をおくられることになったという。町民がこぞって醵金に応じ、町役場前の広場に銅像をたてるということは、誠に意義の深いことだと思われる。大正11年3月に、旧土人保護法施設として完備された道立白老病院の院長とし、高橋氏が赴任されてからも37年になる。その間、土人部落の一員と...