日本語とアイヌ語の関係
にほんごとアイヌごのかんけい
――マタギという言葉の存在について――
――マタギということばのそんざいについて――初出:「北海道新聞」1961(昭和36)年2月3日朝刊分量:約5分
書き出し:日本民族がその成立において複合民族であるように、その言語もかなり複雑な要素から成った混合語である。いまそのうちのアイヌ語からきた要素についてみると、そこにはエゾ、エミシ、アイヌなど種族を表わす名称をはじめ、北方特産の動植物や製品の名称、特殊の風俗習慣を示す言葉、山間の特殊の地形を表わす言葉などに、アイヌ語に由来した語がかなり多く見いだされる。日本本土の東北地方にきわめて多くのアイヌ語の地名が残され...