或る淫売婦におくる詩
あるいんばいふにおくるし
初出:「感情」1917(大正6)年9月号分量:約3分
書き出し:女よおんみは此の世のはてに立っているおんみの道はつきているおんみはそれをしっているいまこそおんみはその美しかった肉体を大地にかえす時だ静かにその目をとじて一切を忘れねばならぬおんみはいま何を考えているかおんみの無智の尊とさよおんみのくるしみそれが世界《よ》の苦みであると知れああそのくるしみによって人間は赦されるおんみは人間を救ったおんみもそれですくわれたどんなことでもおんみをおもえばなんでもなくな...