「プロパガンダ」の感想
プロパガンダ
プロパガンダ
初出:「労働文学」1919(大正8)年3月創刊号

加藤一夫

分量:約3
書き出し:今こそは、凡てのものの目覚める時だ黎明の空は既に白みはじめた。物質文明の麻酔剤に酔うて無自覚に動いて居る間に人間はみな其の本来の器能を奪われた。労働者はその頭脳を、智者はその手を、足を、視力を、腕力を、そして、資本主はその良心を、人情を、本心を。憐れなる片輪者、おお人類よ!目覚めてそのいとおしき自らの姿を見よ匂いかぐわしき朝日の光をうけて。労働者よ、我等の差し出す手を握れ智識階級とよばれる我等の手...
更新日: 2016/03/21
芦屋のまーちゃんさんの感想

貧困が悪い、というより、人の運命、というやつの、その本質を資本主義のみならず社会主義も共産主義も説明できない点がそれぞれのイデオロギーの限界なのだ。貧困は必然的連鎖を伴う。高等教育も経済的余裕がなければならぬ。我々が学問を語る時、傍らには常にパンとミルクが存在する。しかし、語る前に労働によりパンとミルクを得る必要がある。学問を語る前に既に学問が存在している。労働の他に食料を得る手段は盗みかルンペン。