「朝へ行く」の感想
朝へ行く
あさへいく
初出:「詩精神」1934(昭和9)年10月号

平林彪吾

分量:約1
書き出し:午前六時私はアングルにまたがるクレーンはアングルをよこす私はつかんでひきよせるリベットはやける鉄と鉄をしめつけるそれは私の仕事だ。思想はやける人と人とをむすびつけるそれは私の仕事だ。午後六時私は言う集会は言うのがたたかいだ「異議なし」と聞く私は誇る、仕事は進む、「異議あり」という仕事は練れる夜更け昂奮の顔を風に冷やして帰る夜更け今日の思想を消化し明日の仕事に輝いて帰る歩く足、大地につけて一歩も一歩...
更新日: 2018/05/01
472165a3cda1さんの感想

この人の描写はとても独創的であり、また、世の中や物事を的確にそして創造性を待たせた文章構成になっている。読んでいる我々にその時の辛辣な気持ちや憂う気持ちも感じ取れる位の具体性を持ち得ている。本人の経歴を見させてもらい、どんなお顔立ちかを拝見したかったのだが、経歴のみでお写真は残念ながら見ることはできなかった。お亡くなりになった原因が、血を売って生計を立てていたための敗血症と言う事。37歳という若い年で・・・私はこの人を見た時凄い才能の持ち主だなと思った。非常に勿体無い事であるが、サラブレッドの様な才能を持つ人は、例えば俳優の佐田啓二さんの如く・・・皆、人生の卒業が早いものである。