極めて家庭的に
きわめてかていてきに
初出:「詩人」1936(昭和11)年2月号分量:約1分
書き出し:すそを吹き上げる北風は凍りおおいのない、野天の井戸洗い物をしぼる手はまっ赤お前は温順お前は過去の女ぱっと冷いしぶきがとびかかる私は空を仰いだくらくらと瞼をおおうおもい冬空生活はつづく新しいものと古いものがごっちゃになってどんでんがえり新しいモラルの前では或る女たちが特権を以て針を折りひしゃくを投げすて昨日のくびきをふりほどくそこには栓をひねればお湯がとび出す手をよごさずとも夫に清潔なカラーをつけさ...