親父の言葉
おやじのことば
初出:「プロレタリア詩」1932(昭和7)年1月号分量:約2分
書き出し:この頃の寒さに足腰の痛みにわしは憶い出すんだ忰のことがやっぱり親子のつながりだわい「お前等にもわかる時が来る」今になって彼奴の言葉が身に滲みてくる彼奴《あいつ》の云ったこと彼奴のやって来たことやっぱり貧乏人のやらねばならんことだったのだ憶い出すと身震いがする彼奴の入営した翌年春の大争議にわしら四百の小作は××川の土堤で警官と軍隊に取り巻かれた鍬が飛んだ、石が飛んだ剣が抜かれたそしてわしまでしょっぴ...