「姪子」の感想
姪子
めいご
初出:「アララギ」1909(明治42)年9月

伊藤左千夫

分量:約15
書き出し:麦搗《むぎつき》も荒《あら》ましになったし、一番草も今日でお終《しま》いだから、おとッつぁん、熱いのに御苦労だけっと、鎌を二三丁買ってきてくるっだいな、此《この》熱い盛りに山の夏刈《なつがり》もやりたいし、畔草《あぜくさ》も刈っねばなんねい……山刈りを一丁に草刈りを二丁|許《ばか》り、何処《どこ》の鍛冶屋《かじや》でもえいからって。おやじがこういうもんだから、一と朝起きぬきに松尾へ往《い》った、松...
更新日: 2023/10/10
a9b2be4143a4さんの感想

失われた日本というか世界というか。 昔は自然と大きな家族とのなかで、人は生きていたんだなぁ。 今はそれぞれから切り離されて、生きづらいのだろうか。

更新日: 2019/10/24
19双之川喜41さんの感想

 一番草▫山の夏刈も畦道の草も 鎌を使って刈らなければならない。 砥石を荒縄で腰にくくりつけ 手水の代わりに 唾を砥石に吐きかけ 何度も 鎌を研ぎ直して 仕事を終わる。 ささやかな 楽しみを見つけ出しているところに 感心してしまうのである。

更新日: 2017/08/13
b9ef941530ccさんの感想

伊藤左千夫の姪子は、いくら学歴・才能・があっても人付き合いの上手な人でなければ、良いとは言えない。姪子を揶揄したもの。

更新日: 2015/09/29
a5ac6a3c331fさんの感想

明るく爽やかで 気持ちのよい文章。人々の繋がりが 心を温めてくれます。 農村の描写なので やはり青空文庫で 読み終えた 長塚節の『土』を思いうかべました。これは苦労の連続で悲惨な 状況を描いていました。 本作を読んで 苦労が報われている場合もあったのだと 救われた想いです。