失われた日本というか世界というか。 昔は自然と大きな家族とのなかで、人は生きていたんだなぁ。 今はそれぞれから切り離されて、生きづらいのだろうか。
一番草▫山の夏刈も畦道の草も 鎌を使って刈らなければならない。 砥石を荒縄で腰にくくりつけ 手水の代わりに 唾を砥石に吐きかけ 何度も 鎌を研ぎ直して 仕事を終わる。 ささやかな 楽しみを見つけ出しているところに 感心してしまうのである。
伊藤左千夫の姪子は、いくら学歴・才能・があっても人付き合いの上手な人でなければ、良いとは言えない。姪子を揶揄したもの。
明るく爽やかで 気持ちのよい文章。人々の繋がりが 心を温めてくれます。 農村の描写なので やはり青空文庫で 読み終えた 長塚節の『土』を思いうかべました。これは苦労の連続で悲惨な 状況を描いていました。 本作を読んで 苦労が報われている場合もあったのだと 救われた想いです。