ゴリラは、大学中退してからすぐ タクシー乗務員になったのではないのね。 設定を後出しされると“ご都合”な感じがしてしまう。 小指で締めるのも、なんだかしっくり来ず、もやっとした。 刑事が推理の説明中、殺した直後の犯人の心境まで語るのは、笑った。 ゴリラの亡骸を見て涙する百合子の描写は、彼女の純真さが窺えて良かった。裏目に出てしまったが。
大倉は 初めの頃の 女流探偵小説家らしい。 この手のものは どうしても 説明的に なり勝ちではあるけど そのことが 少し気になるような 感じを受けてしまった。 他人の手も借りる 自殺は 凄い思いつき であると感じた。