「心霊の抱く金塊」の感想
心霊の抱く金塊
しんれいのいだくきんかい
初出:「東京朝日新聞」1935(昭和10)年9月23~24日

大倉燁子

分量:約6
書き出し:(上)ツイ二三日前のこと、私達は赤い丸卓子を囲んで昂奮に汗ばんだ顔を並べ、心霊学者深井博士の話を、熱心に聞いていた。もう秋だというのに恐ろしく蒸し暑い晩だ。「金塊はたしかにあった。この眼で見てきたのだから間違いはない、価格はまず五億万円ほどだ」と云って、口を真一文字にきゅッと結び、皆を見廻した。隣席にいた人は、その時、思わず低い呻きのような歎声をもらした。×××五億万円ばかりの金塊が、ある洞窟の奥...