「涙香に還れ」の感想
涙香に還れ
るいこうにかえれ
初出:「巌窟王 上巻」愛翠書房、1948(昭和23)年11月

野村胡堂

分量:約5
書き出し:江戸川乱歩氏が盛んに売り出そうとしている頃、それは確か関東大震災の翌年あたりであったと思う。報知新聞の応接間で初めて逢って、私は「面白い探偵小説を書こうとするなら黒岩|涙香《るいこう》を研究すべきではあるまいか、今の人は涙香を忘れかけて居るが、この人の話術は古今独歩で、筋を面白く運ぶこと、人物を浮出させること、複雑な事件を書きこなして行く技倆に至っては、全く比類もないものである」と話したことがあっ...
更新日: 2022/04/13
19双之川喜41さんの感想

 原作以上の名翻訳と言われているものに 鴎外の「即興詩人」などがあるけど 涙香の「岩窟王」もまたその中に数えられるであろう。 翻案か翻訳かという議論はさておき 涙香の業績は高く評価されるべき と思う。