「すき焼きと鴨料理――洋食雑感――」の感想
すき焼きと鴨料理――洋食雑感――
すきやきとかもりょうり――ようしょくざっかん――

北大路魯山人

分量:約6
書き出し:かねて日本を出発する前から、フランスの鴨料理について、やかましく聞かされていた。それというのも、一方的な西欧礼賛が多く、ほんとうのところは分ったものではないと、私はひそかに考えていた。フランスがどうの、アメリカがどうのと、親切に話してくれる人たちが、日本のこととなると、実はよく知らないのだから、話が初めから狂っている。日本人にして、日本を知らない連中が向こうへ行くものだから、外国へ行っても日本のこ...
更新日: 2016/03/05
3a757a543b39さんの感想

大変有名な、魯山人が山葵醤油で鴨を食べる話し。 個人的に肝要であると思ったのは、この食べ方が旨いとか不味いとかそんなことではない。 魯山人は、日本人に日本人としての誇りをもて、と言っているように思う。国の在り方は、自分の成り立ちに対して、否応なく影響を与える。その国の文化にまみれて、人は育つからだ。それを自覚することで初めて、人は他の文化と交わることができるのではないだろうか。 そんなことを、考えさせられた。